結成から満5年、ROSARIO+CROSSが12月27日(日)に「デビュー5周年記念 ホールワンマン「書きかけのペーパーバック」」を静岡市清水文化会館マリナート 小ホールで開催した。ホールコンサートは、今回で3回目。今年は、新メンバーにRenaを加え新たなスタートを切った年であり、コロナ禍に翻弄された年でもあった。活動も制限される中でシングル「EASY EASY」を発売すれば、リリース記念のワンマン公演の開催も、延期しながらもなんとか漕ぎ着けた。
今回のコンサートの開催前には、2021年1月20日(水)に11th枚目となるシングル 「Birthday」の発売が決定したことも伝えてくれた。この日のコンサートも、制限された環境とはいえチケットは完売。ROSARIO+CROSSへの期待が着実に高まっていることを証明してくれた。ここに、当日のコンサートの模様をお届けしよう。
ライブは、ダンスを持ち味とするROSARIO+CROSSらしく、ソウルフルでエレクトロなパーティチューン「Are you ready?」に乗せ、華麗にせまる踊りを魅せながらスタート。YuwaとMoekoがセクシーな歌声も重ねながら、舞台に彩りを与えてゆく。大人な香りを放つ楽曲の中、愛らしい姿を見せる彼女たち。美しく流れるような踊りも魅力的だ。この楽曲は、ROSARIO+CROSSの活動初期を彩った楽曲。それを久しぶりに披露するのみならず、冒頭に持ってきたのが嬉しい。
妖しい香りを膨らませるように届けたのが、「Blue Monday」。歌詞には,未来を見据え、自分の気持ちを鼓舞してゆく想いを描写。自分たち自身の胸にも問いかけるように歌いながら、彼女たちは場内の熱を少しずつ上げてゆく。
気持ちを騒がせるシャッフルナンバー「そうさ、僕らは共犯者」が飛びだした。想いを一つにした5人の一糸乱れぬパフォーマンスも、目を引く要素。そのうえで「僕らは共犯者だ」と、一緒に新しい刺激に満ちた世界へ行こうと、彼女たちは観客らを手招いていた。
序盤に見せたクールなステージから色を塗り替えるように届けたのが、「普段着に着替えて行こうよ」。胸を弾ませはしゃぐ乙女たちの姿を、5人は愛らしいダンスと爽やかな歌声を通して伝えてきた。続くROSARIO+CROSS初期の人気曲「ふたりはラブコメディ」でも、恋する無邪気な乙女心を、彼女たちは舞台の上でミュージカル劇を演じるように届けてきた。そこからは、恋に恋する乙女たちの華やぐ姿が見えていた。
ふたたび表情は、一変。ROSARIO+CROSSは最新シングル「EASY EASY」を歌いながら、凛々しい表情でせまる。彼女たちの中にあるクールでエレガントな部分をクローズアップ。この歌は、いじいじするなよと想いを投げ掛ける楽曲のように、観ている側も彼女たちの歌声から勇気をもらえていた。
ROSARIO+CROSSの5年間の活動を振り返る話の中、創設メンバーのMimuが「デビュー当時はステージ慣れしてなくて楽しむのが難しかったけど、いろんな経験を重ねてきて、今はライブを楽しめてます」と語れば、Yuwaは「5年前のうちらの表情はイモっぽかった」と発言。Moekoは、5年前もアイドル活動をしていたことを。Renaは、5年前の13歳のときはショップモデルをやっていたと話していた。5年前のYuriは高校1年生。当時はダンスに力を入れていたと、それぞれが懐かしがるように5年前を振り返っていた。そのうえで、「今のROSARIO+CROSSは輝いていませんか?!」と、Yuwaが訪れた人たちに語りかけていた。
続く「カサナール」では、スタンドマイクを使ったパフォーマンスも披露。5人は挑発するような様も見せながら、高まる気持ちを歌声やダンスに乗せてゆく。その勢いへさらに激しさと華やかさを加えながら、ROSARIO+CROSSは「Lips~踊れ恋心~」を歌唱。沸き立つ情熱を歌声に乗せ力強く放つように5人は歌い躍り続ける。間奏では、ダイナミックでドラマチックなパフォーマンスも披露。2曲続けて、気持ちを熱く騒がせる楽曲を届けてくれた。
続いて披露したのが、静岡のご当地ソングとして、静岡で高い認知度を誇る、情熱的なラテン・フラメンコバージョンにアレンジしたカバー曲の「思い出の交差点(R+C ver)」。昭和のムード歌謡曲へスパニッシュなテイストを加えたことや、彼女たちが熱情した歌声で届けたことで、哀愁を抱いた「思い出の交差点」が、高まる恋心をぶつける情熱ナンバーとして胸に響いてきた。
ROSARIO+CROSSの年間の歩みを振り返る映像や、「毎日がBirthday」「毎日が特別な日」という未来へ向けた彼女たちからの動画メッセージに続き、着替えを終えたメンバーたちが、ふたたび舞台へ。
「君のBirthday 手を伸ばして」と歌いながら始まったのが、1月20日にシングル発売になる「Birthday」。この日がライブで初披露。愛らしくてチャーミング、可愛いROSARIO+CROSSの王道曲という理由もあるのか、触れた瞬間から気持ちが嬉しく騒ぎだす、とてもつかみを持ったポップチューンだ。メンバーたちも、弾む楽曲と気持ちをシンクロさせ、心を華やかに染めるカラフルなダンスポップ曲を笑顔で届けてくれた。
華やかさへさらに色を塗り重ねるように歌ったのが、「希望フレーバー」。輝いた未来へ連れだす楽曲を立て続けに披露したことで、心も一気に華やいだ。
「Birthday」の聞きどころとしてMimuは、「何でもない毎日が始まりの日、毎日がバースデーなんだよ」と語れば、Yuriは「自分がハートを作りながら歌っている「ハートを赤く塗りました」の部分が聞きどころなので、そこに注目して欲しい」と語っていた。
ここからは、元気とパワーを一気にアップ。「ショートヘア」に合わせ5人は、気持ちをハッピーな色へと着替え、舞台の上で無邪気に弾けだす。彼女たちはときめく乙女心を胸華やぐままに歌い躍っていた。まるで青春映画の一場面から飛びだしたような楽しさを、ROSARIO+CROSSは目の前に描きだしてゆく。
輝きを振りまきながら走る楽曲へ飛び乗った5人は、笑顔で「ラン!ラン!ラン!」を歌い、「一緒にはしゃごうよ」と誘いをかけてきた。華やぐ気持ちと騒ぐ気持ちが重なりあった心は、一緒に駆け出したくて爆発寸前だ。こんな時期だからこそ、無邪気にハッピーに心染まれる楽曲が、最高の笑顔と楽しさを生み出すエナジーになる。
ドキドキとした乙女の恋心を綴った「君といるだけで僕は人生トクしてる」を通し、彼女たちは「君といるだけで僕の人生輝くよ」と歌いかける。その言葉、そのまま5人にお返ししたい。彼女たちの音楽やライブに触れているだけで、自分自身が輝ける。そのスイッチをROSARIO+CROSSが押してくれるからこそ、彼女たちに会いに行きたくなる。
ROSARIO+CROSSは、明るく力強くパワフルに、舞台上で思いきりはしゃぎながら「大どんでん返し」を歌っていた。ネガティブな感情なんかすべて吹き飛ばす、最強に弾けた力を振りまくこの歌が大好きだ。フロアでは、メンバーたちの振りに合わせ、椅子に座りながらも一緒に振りを真似る人たちも大勢いた。たとえ制限されたライブ環境だろうと、心だけは思いきり飛び跳ねながら、彼女たちと一緒に無邪気に騒いでいた。
「本に綴った私たちROSARIO+CROSSのストーリーは、今日も一つの通過点。これからも通過点は続いてゆくかけがえのないストーリーということから、今回のタイトルになりました」とMimuが告げた後、最後にROSARIO+CROSSは、椅子に座りながら新曲の「書きかけのペーパーバック」を歌ってくれた。この日は、あえてダンスを封印。Moekoの歌声をリードに、Yuwaがその想いを引き継ぎながら、ROSARIO+CROSSの歩みを綴った本のページに優しい声の筆で新たな想いを綴りだす。サビでは5人が美しいハーモニーを描きながら、心揺れながらも明日を見据えて歩み続ける今の自分たちの気持ちを、新しく開いた本の左ページへ力強く記していた。とても胸に染みる楽曲だ。5人の歌声が一つに重なったときの美しい衝動と感動を、ぜひ味わってもらいたい。きっと瞼がじんわり温かく滲んでゆくはずだ。
ふたたび会場を華やかなパーティ空間へ染め上げようと、アンコールでROSARIO+CROSSが披露したのが「Lucky Girl」。5人は切れの良いダンスを魅力に、愛らしく観客たちを挑発。気持ちを騒がせる楽曲に触発され、フロア中でも無数のサイリウムの光が揺れていた。
ここで、5人が言葉を述べてくれた。
「この5人でROSARIO+CROSSをやれて、すごく幸せだなど感じれることが、今年はたくさんありました。この5人でこれからももっともっと上にいって、この会場よりもっともっと大きい会場へみなさんを連れて行きたいです」(Mimu)
「みんなを本当に心から楽しませたくて、今日までの日々を過ごしてきました。今日は、みなさんの目がとてもキラキラしていたように、何時もとは違う形ですけど、みなさんと楽しい時間を共有する時間かできて、とても幸せでした」(Moeko)
「今回、初めて「Birthday」でソロパートをいただけました。 歌のパートがないと、応援してくださっている方を楽しませられないんじゃないかなと何時も思ってて。いつパートをもらえるんだろうという不安がある中、今回もらえれば、そのことをみなさんがすごい喜んでくださって。それが本当に嬉しくて。もっともっと自分頑張らろうと思いました。今日はちゃんとみんなにソロパートを届けられたから、本当に良かったです」(Yuri)
「わたしは2月に入って、3月にお披露目をしました。それから8ヶ月経ったんですけど、あれから成長できているのかなと不安な毎日でした。たとえ練習を重ねていても、それを見せる場が今年は少なくて、どこに想いをぶつけたらいいのかもわからない気持ちのまま、今日のワンマンが開催になりました。今日、みなさんに想いを届けることができて本当に良かったなと思います。ROSARIO+CROSSをもっともっと盛りあげていけたらいいなという気持ちで加入して。でも、今年はそれが叶わなくて…。来年こそはRenaの持っている力を精一杯発揮して、ROSARIO+CROSSに貢献出来たらいいなと思います」(Rena)
「今のROSARIO+CROSSは最強と伝えられるように、今日は頑張りました。わたしはROSARIO+CROSSに5年間ずっといる人ですけど。加入した最初の頃はわたしとMimuちゃんが最年少チーム、グループの中にいてもあまり言葉を発しないし、ステージの上に立っても挨拶だけみたいに、お姉さん方にも貢献出来ない人でした。でもメンバーが卒業し、今は一番上の存在になって、今はリーダーをやらせていただいています。リーダーになったときは本当に不安で、人を引っ張ることも人を注意することも出来ない人だから、不安ばかりでした。そんなリーダーにみんなが一生懸命応えてくれました。だからこそ、このメンバーでいろいろチャレンジしながら「ROSARIO+CROSSすごいな」と思ってもらえるように、これからも頑張りたいです」(Yuwa)
ここでROSARIO+CROSSが、ファンの人たちの前に二つの宣言をした。それが、「静岡を代表するアイドルROSARIO+CROSSとして、2021年11月23日に、6周年公演をしずぎんホールユーフォニアで行なうこと」。そして、「2年後の2022年には静岡市民文化会館で7周年公演を行なうことを叶えたい目標に掲げ、この2年間はそこを目指して頑張っていく」こと。どちらも、今のROSARIO+CROSSとしては高い目標だ。だからこそ夢を現実に変えるために頑張ると、「静岡の人たちが誇れるアイドルになる」と、5人はみんなの前で誓っていた。
最後に、自分たちの未来を力強く引き寄せようと、5人は明るく元気にパワフルに「HELLO!未来」を歌っていた。これからもきっと進む道の中、彼女たち自身が迷い戸惑うこともあるだろう。それさえも自分たちが輝く糧として飲み込み、大きく成長していこうとしているのが今のROSARIO+CROSS。未来を呼び寄せるのは自分たち次第。たとえ完璧でなくてもいい。ただ、信じた夢を裏切らずに前へ前へと走っていくことが、自分たちが信じた未来をつかむきっかけになる。何より自分たちが輝く力になる…。
まだまだROSARIO+CROSSという題名のペーパーバックは白いページがほとんどだ。だからこそ、そこへ素敵な未来を一緒に筆を取りながら綴っていきたい。
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
2021年1月20日に 11th Single「Birthday」 CD発売決定!!
【収録曲】
1.Birthday
2.書きかけのペーパーバック
作詞作曲、プロデュース : 近藤薫
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Moeko twitter
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セットリスト
「Are you ready?」
「Blue Monday」
「そうさ、僕らは共犯者」
「普段着に着替えて行こうよ」
「ふたりはラブコメディ」
「EASY EASY」
「カサナール」
「Lips~踊れ恋心~」
「思い出の交差点(R+C ver)」
映像-映像-
「Birthday」(新曲)
「希望フレーバー」
「ショートヘア」
「ラン!ラン!ラン!」
「君といるだけで僕は人生トクしてる」
「大どんでん返し」
「書きかけのペーパーバック」
-ENCORE-
「Lucky Girl」
「HELLO!未来」
デビュー5周年記念ホールワンマン終了致しました!応援してくださったファンの皆様、関係者様、本当にありがとうございました!6周年、しずぎんホール(11/23)そして7周年の静岡市民文化会館に向けて進んでいきますので、引き続き応援よろしくお願いします! #ロザリオクロス pic.twitter.com/e30AYi3cNN— ROSARIO+CROSS (@rosario_cross6) December 27, 2020